新学期が始まり、発熱や咳などで受診されるお子さんが増えています。学校や幼稚園、保育所で予防すべき感染症については、日本小児科学会がとても詳しい解説を公開されています。

参考:公益社団法人日本小児科学会ホームページ>学校、幼稚園、保育所において予防すべき感染症の解説(日本小児科学会予防接種・感染症対策委員会)

以下に、代表的な感染症疾患についてメモしておきます。

感染症名 潜伏期間 感染経路 登校(園)基準
みずぼうそう(水痘) 14-16日 空気感染、接触感染 すべての発疹が痂皮化した後
おたふく(流行性耳下腺炎) 16-18日 飛沫感染 耳下腺、顎下腺などの腫れがでたあと5日を経過し、かつ全身状態が良好となった後。
はしか(麻疹) 8-12日 空気感染、接触感染 解熱後3日経過した後
風疹 16-18日 飛沫感染 発疹の消失後
プール熱(咽頭結膜熱) 2-14日 接触感染、飛沫感染 主要症状が消失して2日経過後
溶連菌感染症 2-5日 飛沫感染 適切な抗菌薬による治療開始後24時間以降
手足口病 3-6日 経口感染、飛沫感染 症状が回復した後
ヘルパンギーナ 3-6日 経口感染、飛沫感染 症状が回復した後
りんご病(伝染性紅斑) 4-14日 飛沫感染 症状が回復した後
マイコプラズマ感染症 2-3週 飛沫感染 症状が回復した後
百日咳 7-10日 飛沫感染 特有な咳が消失するまで、または5日間の適正な抗菌薬による治療が終了した後。
肺炎クラミドフィラ感染症 平均21日 飛沫感染 症状が回復した後
インフルエンザ菌b型感染症(ヒブ) 不明 飛沫感染 症状が回復した後
肺炎球菌感染症 1-3日 飛沫感染 症状が回復した後
RSウイルス感染症 4-6日 接触感染 症状が回復した後
ヒトメタニューモウイルス感染症 3-5日 接触感染 症状が回復した後
ライノウイルス感染症 2-3日 接触感染、飛沫感染 症状が回復した後
単純ヘルペスウイルス感染症 2日-2週 接触感染 歯肉口内炎のみであればマスクをして可
帯状疱疹 不定 接触感染 病変部が被覆されていれば登校して可。ただし水痘を発症する可能性が高い子どもの多い幼稚園、保育所ではかさぶたになるまで登園は控える。
突発性発疹 9-10日 接触感染(唾液) 症状が回復した後
インフルエンザ 1-4日 飛沫感染 発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日を経過した後。幼児においては、発症した後5日を経過し、かつ解熱した後3日を経過した後。
ロタウイルス感染症 1-3日 経口感染 下痢、嘔吐が消失した後
ノロウイルス感染症 12-48時間 経口感染 下痢、嘔吐が消失した後
サルモネラ感染症 12-36時間 経口感染 下痢、嘔吐が消失した後
カンピロバクター感染症 1-7日 経口感染 下痢、嘔吐が消失した後
アタマジラミ症 孵化まで10-14日 接触感染 制限はない
みずいぼ(伝染性軟属腫) 2-7週 接触感染 制限はない
とびひ(伝染性膿痂疹) 2-10日 接触感染 制限はない
蟯虫(ぎょうちゅう)症 1-2か月かそれ以上 経口感染 制限はない